制振とは?

建物に揺れを吸収する装置を付ける「制振」

「制振」とは、地震時や強風時に生じるエネルギーを、建物に制振装置を取り付けることで吸収し、揺れや損傷を軽減させようとするもの。「免震」が建物と地盤の間に特定の装置を入れることで、建物本体には揺れを伝えないようにしているのに対し、「制振」は建物に伝わった揺れをできるだけ吸収しようとするものです。
「制振」には、建物の適所にエネルギー吸収装置を取り付ける方法(制振壁など)と、建物上部に取り付けた重りで揺れを打ち消すように動かす方法(マスダンパーなど)に大きく分けられます。

制振壁
制振壁

制振壁が建物の揺れを吸収し、損傷を防ぎます。

従来建物
従来建物

建物が大きく揺れるので、居住性の悪化や損傷の恐れがあります。

マスダンパー
マスダンパー

重り(マスダンパー)が揺れを打ち消します。

わずかな揺れにも効果を発揮。おもに高層ビルで活躍する「制振」

「免震」が中低層の建物に比較的多く適用されるのに対し、「制振」はおもに鉄骨造の高層建物に適しています。
建物の各所に制振装置をバランス良く配置して、地震や風による揺れを効率的に吸収する「制振壁」は超高層ビルに積極的に採用されていますが、近年では高さ40m以下の建物にも適用される事例が増加しています。
一方、微少な揺れから制振効果を発揮する装置「マスダンパー」は、風揺れや中小地震対策に用いられることが多く、ホテルなど日常的に高度な居住性を要求される建物に適しています。 装置を最上階だけに設置すれば良いことから、高さ100mを超える超高層ビルなどにも多く導入されています。

梅田一丁目ビル(制振壁)
梅田一丁目ビル(制振壁)
埼玉合同庁舎(制振壁)
イーストコア曳舟二番館(制振間柱)
保坂ビル(マスダンパー)
保坂ビル(マスダンパー)