地震が発生した際に、建物自体に損傷がない場合でも、建物内部の機器や備品などが転倒・破損する被害に見舞われることがあります。特にコンピュータールームなど重要なフロアでの被害を未然に防ぎ、機能を維持するための対策が必要となってきます。そこで用いられるのが「免震床」です。地震から守りたいフロアだけに免震を施すことができます。
「免震床」は、次のようなフロアでの適用が有効です
コンピュータールームの床
病院の手術室や医療機器・医薬品を収納する部屋の床
半導体工場の床
バイオ施設の床
危険物保管庫の床
大型の美術品・文化財を設置する床
重要なフロアだけを免震化する「免震床」
「免震床」は、建物内部の床に金属製のローラーを組み込んだ免震装置を取り付け、その上に床を設けた浮き床構造になっています。「免震床」には、水平方向の揺れだけに対処する「二次元免震床」と、鉛直方向の揺れにも対処できる「三次元免震床」があります。「三次元免震床」では、空気バネなどの装置を付けることで、鉛直方向の揺れも低減させることを可能にしました。
「免震床」上における水平方向の加速度は、設置床の約10分の1程度に低減されます。これは震度でいうと、震度7が震度5弱程度に、震度5強が震度3程度に揺れが小さくなるということです。